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脱サラ・独立・フランチャイズ考察

第4章

 フランチャイズチェーン及びシステム
 一昔前まで、フランチャイズチェーン(以下:FC)に加盟することは脱サラとしての選択肢の1つとされていまし た。当時のFC本部は 「独立して一国一城の主に」 などというキャッチコピーとともに加盟店主を募集していまし た。私の場合は二昔前ですが、こうしたキャッチコピーに魅力を感じた一人です。しかし、FCが乱立するに従い 問題点も指摘されるようになりました。

 1番目の問題点は 「売上げ予想額」 です。当然、FC本部としては加盟店が増えることが利益の源泉ですから 「多めに」 説明します。加盟店主に応募した方々はその数字を信じ開業するわけですが、開業後の売上げ額が 予想どおりでないことが多くトラブルが多発しました。

 2番目の問題点は 「過度な規制」 です。加盟店主は自分の資金を使うわけですし、売上げが直接収入につな がりますから仕入先や営業方法などを自店に見合ったやり方に変えたいと考えます。しかし、本部の指示に従う ほかなく 「独立」 とはかけ離れた形が実態でした。

 3番目の問題点は、これが大元の問題点ですが、加盟店主と本部との立場が不公平であることです。契約にお いて加盟店主側が不利な立場になっていることです。
 例えば、解約したときに多大な違約金を支払わなければならなかったり、本部の指示に従わなかったときの罰 金であったり、本部だけが一方的に有利な立場に立つ契約内容でした。また、売上げに対する利益の配分も加 盟店主にとって不満が残る割合でした。

 こうした問題点が少しずつ表面化していったのはネットの存在が大きな貢献をしています。加盟店主の大きな 不満は一部のメディアでは伝えられていましたが、大手マスコミで取り上げられることはほとんどありませんでし た。まだFCに関しての知識、認識、関心が低かったからです。それを反映するものとして、マスコミでは一般流通 業とFC本部の売上げを同列に並べて報じていました。本来は、同じ商品を扱う流通業・販売業でも直営店方式 とFC方式とでは全く異なる業種と考えるべきです。ですから、直営店方式の売上げとFC方式の売上げを比較し ても全く無意味なことです。

 一昔前からネットでは現役加盟店主によるFC本部の横暴さが訴えられていました。以前は、私も加盟店主の 方とメールのやりとりなどをしたものです。しかし、本部による締め付けが厳しくなりそうしたサイトも見つけにくくな ったのが現状です。

 大手マスコミはFCシステムに関する認識は高くありませんでしたが、大手マスコミが関心を示してもおかしくな いFCもありました。コンビニ業界です。コンビニ業界は最も大きなFC業界です。しかし、コンビニ業界の影の部 分を知り得たとしても深く記事にすることはありませんでした。理由は、コンビニ業界が大手マスコミの大スポンサ ーだったからです。コンビニ業界については後半で詳しく取り上げたいと思います。


 私はFCシステムがすべて悪いとは考えていません。業種によってはFCシステムが適している、またはFCシス テムでなければ成り立たない業種もあります。しかし、リスクを加盟店側に押しつけることによってのみ本部が利 益を上げているFCは論外です。そのようなFC本部は淘汰されてしかるべきです。

 私はラーメン店を廃業した数年後、また違う業種のFCに加盟しました。このときのFC本部を決めた理由はラー メン店時と同じ 「自由度」 です。「脱サラ」 といいながら定休日も営業時間も自分で決められない 「独立」 などあ るはずがありません。仕入れ先などはスケールメリットがありますから本部に指定されるとしても異存はありませ んが、それ以外は店主が決定権を持っているのが 「独立」 であり 「脱サラ」 です。例えばコンビニの加盟店主の 立場は 「脱サラ」 というよりも 「脱正社員」 とでもいえるような立場です。どんな理由にしろ、店を休業したときに 罰金が取られる 「独立」 などありません。

 私が2度目に加盟したFCはとても規制が緩やかでしたので安心した部分もありましたが、反対に 「緩やかすぎ る」ことが不安の素でもありました。味の素ではなく不安の素です。案の定、開業時に本部から応援に来たスタッ フは私からしますと 「素人」 にしか見えませんでした。店舗内でのちょっとしたダンボールの使い方や道具の使い 方などには専門家のように振舞っていましたが、店舗を運営する上での基本的なノウハウは全くありませんでし た。FC本部などは「経営のノウハウを伝授」などと謳っていますが、応援に来た本部のスタッフは「開業屋」といっ たほうがふさわしい人たちでした。

 このようなFCでしたので、私が開業して1年も経たないうちに倒産しました。実は、いずれ私はFCを脱退するつ もりでしたから好都合なことでもありました。「緩やかな」 FCに決めたのはのちのちの脱退も視野に入れていた からです。ラーメン店での経験がありましたので 「緩やかな」 FCなら円満に脱退できると期待していました。
 では、次章では具体的な話として2度目に加盟したFCについてお話しましょう。

第4章終わり

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