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ラーメン店を手っ取り早く開業する講座

あとがき

 このテキストを書きましたのは約4年前、popcampusさんという通信講座のサイトに登録したのがきっかけでし た。最初に「体験記」を登録し、その後popcampusさんの代表から「もう一冊書いて欲しい」という要請があり 「手 っ取り早く」を書いた次第です。今回、私のサイトにて全てを公開するにあたり久しぶりに読み返したのですがラ ーメン店時代を思い出し懐かしさがこみ上げてきました。私は今、歯医者さんに月に一回歯垢を取り除きに通っ ているのですが、実はその歯医者さんは以前私がラーメン店を営んでいた同じテナントなのです。歯医者さんの 椅子に座り治療を受けながらこっそりと感慨にふけっているわけであります。
 私のテキストはグルメ通の方からすると邪道に映るかもしれません。しかし、自分でラーメン店を営んでいるとき に「おいしい」とはどういうことか? という疑問がいつもありました。そしてそのことが私の目をマスコミやメディア に向けさせました。ラーメン店を営む前と後ではものごとを見る目が違ってきたと自分では思っています。ラーメ ン店を開業したいと考えている「あなた」。
 あなたはなにを感じたのでしょう。
 私はラーメン店を廃業に追い込まれたわけですからつまるところ 「敗者」 です。偶然かもしれないんですけど、 だから私のラーメン店のあとに 「歯医者」 が開業したのかなぁ、と思っています。

                                           平成18年1月       円山 里昭

追記:平成21年10月
 最後までお読みくださいましてありがとうございました。
 さて、今回私が追記を書こうと思いましたのには理由があります。私はこのサイトの解析を定期的に見てます が、その解析結果において最近 「気になること」 があるからです。実は、数週間前にコラム<私のココロ>でも 書いたのですが、やはりどうしても気になりますのでこちらにも書くことにしました。
 当サイトは google や yahoo の検索から訪問する方が圧倒的に多く、その最初の訪問先は <手っ取り早く開 業>のページです。そして解析結果を見ていますと、<失敗体験記>より<手っ取り早く開業>のほうが多く読 まれています。この結果はつまり、<手っ取り早く開業>だけを読んで<失敗体験記>は読まずに終わっている 方が多いことを示しています。そのことが 「気になる」 ことです。
 例えば、ある料理を作るとき全く知識経験がないときは料理本を読んだりします。料理本にもいろいろな本があ りますが、中には薄っぺらで簡単にしか書いてない本などもあります。そうした本は調理について詳しくは書いて ありませんので上っ面なことしか書いてありません。もしかしたらレシピくらいしか書いてないかもしれません。
 しかし、包丁や鍋などを握ったことのない未経験の人にとってはレシピだけでは料理を作ることはできません。 原材料や調味料の分量が書いてあっても実際に作ることはできません。
 この<手っ取り早く開業>は、まさしくレシピと同じです。「キャベツを半分」とか「醤油を1カップ」、「お酒を 少々」などと書いてあるのと一緒です。これだけでおいしい料理を作ることはできません。レシピを読んだだけで 「立派な料理人になれる」 と思う人はいないでしょう。料理を作る際に大切なのは、例えば 「キャベツの千切り」 といったらどのように切るのか、醤油1カップの「カップ」とはどれくらいの大きさなのか、とか具体的に書かれたこ とです。そしてなにより大切なのは 「レシピ通りに作る」 ことの難しさを知ることです。
 自動車の運転を教えてもらうとき、最も効果的なのはやはり体験することです。ですから教習所では実際に自 動車を走らせる技能練習があります。しかし、実体験が出来ない場合は、単に 「車の動かし方」 を教えてもらう だけでは役に立ちません。例えば 「車を止めてください」 と言われても 「ブレーキペダルをどれくらいの強さで踏 むべきなのか」 とか、「止まる位置のどれくらい前でブレーキを踏めばよいのか」 などできるだけ実体験に近いノ ウハウを教えてもらったほうが教えられる側は役に立ちます。
 同じような意味で、<手っ取り早く開業>だけを読んでも、開業についてわかったことにはなりません。単に「レ シピを読んだだけ」 に過ぎません。「車の動かし方」 を読んだだけです。
 もし、あなたが単なる興味本位だけでなく、少しでも 「脱サラ」 を真剣に考えている人であるなら、是非とも<失 敗体験談>もお読みになることをお勧めします。脱サラで飲食店を目指しているなら<手っ取り早く開業>は
<失敗体験談>と合わせて読んで初めて意義が生まれます。単なる興味本位で<手っ取り早く開業>を読んだ 方も、私が<手っ取り早く開業>で伝えたいことの真意を理解していただくために<失敗体験談>もお読みにな ることを願っています。

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