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脱サラ・独立・フランチャイズ考察

第1章

2010年1月31日リニューアル

 時代の変遷とともに脱サラに対しての意識も考え方も変わってきました。私が脱サラを決行した昭和61年当時 とはもちろんのこと、このサイトを立ち上げた平成16年頃と現在(平成22年)ではビジネス界を取り巻く環境も様 変わりしています。そうした状況を考慮しまして今回リニューアルすることにしました。
 ビジネス界を取り巻く環境が変わっても 「独立志向」 を持つ会社員はやはりある一定の割合で存在します。中 には 「独立せざるを得ない」 状況に追い込まれたことがきっかけになり 「独立志向」 を持った人もいるでしょう。 平成不況といわれる昨今はそうした割合が高いかもしれません。
 どんなきっかけにしろ 「脱サラ」 とは 「高いリスクを負うことであること」 には変わりありません。しかし、「高いリ スク」 を具体的に実感できていない人もいます。「なんとなく」 とか 「雰囲気」 だけでリスクを感じるのではどのよ うな対策を講じてよいかわからないものです。そこで、このサイトでは 「高いリスク」 を具体的に紹介しながら 「脱 サラ」 「独立」、そして 「フランチャイズチェーン」 について考えていきたいと思います。

脱サラ成功の確率

  一口に 「脱サラ」 と言いましても二通りのパターンがあります。一つはそれまでの仕事の延長線上にある脱 サラであり、他方は未経験の仕事に挑む脱サラです。また、脱サラ後の形態を法人にするか個人にするかでも 脱サラの持つ意味合いが違ってくるでしょう。当然、個人ではなく法人にするときはそれなりの資金が必要です。 もちろん法人のほうが信用力が高いわけですが、大きな資金が必要な分だけ高いリスクを負わなければならな いのですから不安は大きくなります。

 一つ目のパターンはよくあるパターンです。例えば、ラーメン店や寿司店などで従業員として働いていた人が独 立をするケースです。こうしたケースは今までと同じ仕事をするわけですから、経験が活かせることでそれほど難 しいとは言えません。それまでと違うのは収入が給与でなくなることです。売上げから経費を引いた残りが自分の 収入になることです。もし売上げが少ないなら収入がなくなるどころか借金を背負う可能性もあります。

 このほかにある例では営業職の仕事をしていた人の脱サラです。いわゆるセールスですが、保険業界で一時 期頻繁に見られたケースです。会社に所属しながらセールスをしていますと、自然と得意客を持ちます。成績の 優秀なセールマンほど上得意な顧客を持っているものです。そうしたセールスマンが 「独立したほうが収入が増 える」 と考えても不思議ではありません。また、ライバル会社から 「歩合を高くする」 という誘い文句で独立を勧 められることもあります。つまりライバル会社の下請けのような形で独立することです。「成績が優秀であること」 を自負しているセールスマンですので自尊心をくすぐられると誘いに乗りやすく、それはライバル会社の思う壺で す。

 このようなケースでの独立は一時的には高収入を得られるのも事実です。上得意のお客様を確保しているので すから、そうした人たちに新たにライバル会社の商品を売りこめるからです。実際、昔の郵便局時代、簡易保険 を販売していたセールスマンがこのような形で独立した例はたくさんありました。しかし、その後の仕事状況を見 ていますと芳しい状況とはいえない人が多いようです。理由は 「下請け」 だからです。確かに、独立当初は上得 意先に販売することで高収入を得られますが、上得意先が一巡したあとは壁にぶつかります。業績が伸び悩み ますと 「歩合が下がる」 こともあります。そうしたときに会社員であったなら、基本給がありますので最低収入は 保証されています。しかし、独立した形ですから基本給などもありません。最終的には会社員に戻るケースが多 いようです。

 このケースの問題点は独立後の形が 「下請け」 であったことです。「下請け」 ですので、手数料などは親会社 の言うがままに従うしか道が残っていません。従って、自分に不利な要求でも受け入れざるを得ない状況に追い 込まれています。これでは本当の意味での独立とは言いがたく、歩合給の会社員と言ってもよいかもしれませ ん。後ほど述べますが、フランチャイズチェーンと似た独立の形式です。独立とは販売先や仕入先を自分で自由 に選択できる状況をいうはずで、真の意味での独立ではないように思います。

 これまで2つの独立の例を紹介しましたが、どちらもそれまでの仕事の延長線上での独立でした。しかし、一般 的に 「脱サラ」 という言葉の響きから思い浮かぶのは、全くの未経験または専門外の仕事から飲食業に転業す ることではないでしょうか。実際、私は今までに異なる場所で店のオープンを3回経験していますが、オープンした ときに必ず 「脱サラなんですか?」 と尋ねられました。それだけ飲食業=脱サラという意識が多くの人に刷り込 まれている証拠です。

 しかし、実は、小さな店舗が新規オープンしたときその店の店主は 「脱サラ」 であるケースがほとんどです。例 え、どこかで同じ職業に従事していようと身分は会社員ですから、店をオープンするときは 「脱サラ」 です。「脱サ ラ」 でないケースは、店舗の移転もしくは転業でしかないのですから、FC店でない店舗で 「脱サラですか?」 とい う質問は愚問でしかありません。それはともかく飲食店の新規オープンと脱サラは同意語といってもよいのかもし れません。だからこそ私もこのサイト作っています。
 さて、それまでの仕事の延長線上であろうがなかろうが脱サラは独立することです。会社のような守ってくれる 後ろ盾はありません。「後ろ盾がない」 ということはすべて自己責任であり、ときには失敗することもあります。い え、失敗することのほうが多いのが現状です。そこで、脱サラをする「前」の状況とその状況から 「脱サラ」 した場 合の成功する確率を下記に示してみました。

法人 個人
未経験 A
1%
D
5%
既経験 B
30%
C
50%~60%

 当然、リスクが最も大きいケースはAであり、資金も多大な金額が必要となります。しかし、Aを目指そうとする 人は既に必要な情報を知人やネットなどいろいろなメディアから集めているはずですから、相当な覚悟ができて いると想像できます。たぶん業界の失敗例もたくさん見てきているでしょう。

 このAのケースで過去にない業種に挑むのは、近年流行りの 「起業」 です。これまでにない業種ですから、参 考になる前例もありませんし業界自体も存在しないわけですから成功する確率はさらに低くなります。起業だけに 限るなら1%にも満たないでしょう。そう考えますと、ソフトバンクの孫正義氏や楽天の三木谷氏の成功がいかに 類稀であるかわかろうというものです。パソコンやIT関連で独立するケースはここにあてはまるのが多いのでは ないでしょうか。

 しかし、Aのようなケースは全体から見ますとわずかでしかありません。当サイトを訪れる方はほとんどがB, C,Dのケースにあてはまるように思います。さらに資金的に考えますと、CとDのケースに絞り込まれると思いま す。私の場合はDでしたが、それぞれにおける確率を示してみましょう。

A リスクが最も高く成功する確率は1%
B 経験のある仕事ですが、スポーツ界における選手と監督の違いを思い知らされます。成功する確率30%
C 自分でやらなければならない業務の多さに驚かされます。成功する確率50~60%
D 2番目にリスクが高く成功する確率5%

 上記に 「成功する」 と書きましたが、一口に 「成功」 と言ってもさまざまです。豪邸に住み、軽井沢に別荘を持 ち、高級外車を乗り回し、年に数回海外旅行をし左団扇で暮らすことを「成功」と言う人もいるでしょう。反対にそ れほど収入は望まず 「会社に縛られることなく自由に仕事ができればよい」 と考える人もいるでしょう。「成功」 の考え方は人それぞれです。会社の言いなりになる必要がなく、自分の判断で好きなように仕事をすることに満 足感を持つ人がいても不思議ではありません。そこで中間をとって、当人が 「成果があった」 「報いられた」 と感 じられることを 「成功」 と定義づけたいと思います。ただし、10年以上は営業できることが前提です。2~3年で 廃業してしまっては間違っても 「成功」 とは言えません。また、廃業したあと 「ホームレスになっていないこと」 も 加えておきます。

 さて、前記のように 「成功」 を定義づけしたあとの確率が上記の数字です。この確率は、私の 「経験」 と 「見て きた実例」 と 「メディアからの情報」 と 「個人的な感覚」 から判定した数字です。いわゆる独断ですが、その際の 物差しとして 「収入」 「労働時間」 「仕事のやりがい」 「老後の生活」 などを考慮に入れました。

 読者の皆さんはどのように感じたでしょう。先ほど、(A)の分類につきましては書きましたので第2章では(B)(C) (D)についてもう少し詳しく書きたいと思います。

第1章終わり 

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